いまだに低い日本人の金融リテラシー。ある意外な解決法

いまだに低い日本人の金融リテラシー。ある意外な解決法

近年、20代など若年層の資産運用に対する関心が高まっていると言われています。金融庁の調査によると、20代や30代を中心としたつみたてNISAの口座開設数が急増しているというデータもあります。コロナ禍で将来の不安が高まったせいか、何かあった時の備えとして、投資で少しでも資産を増やそうというモチベーションが高まったのかも知れません。

若年層の投資への関心が高まる一方、金融リテラシーに課題 

若年層の投資経験、あるいは投資に対する関心度合いが高まる一方で、資産形成に最も必要な「金融・経済の基礎」の知識が不足している=金融リテラシーが低いと言われています。
なぜ金融リテラシーが未定着であることが問題なのか。

投資に関する最低限の知識を持たず、ただ儲かるかも知れないからという程度の理由で投資を実行し、大損を被ってしまうケースもあります。

そもそも投資に損をするリスクはつきものであり、それを理解したうえで、いかにしてリスクをコントロールするかが、長期的な資産形成を行うには重要なのですが、何の知識も持たずに投資をして、大きな損をすると、「もう絶対に投資をしない」という気持ちになる人が少なくありません。

ならどのようにしたら金融リテラシーを高めることができるのでしょうか。

少額投資できる「投資信託」の実践で金融リテラシー向上も

それは少額投資をすることです。言い方を換えると、お財布の中身をマーケットの値動きと直結させてしまうのです。これは実際に投資をしてみると分かると思うのですが、たとえば株式を買うと、日々、その銘柄の株価が気になって仕方がなくなります。

本来、日々の株価の値動きが気になって仕方がないというのは、投資をするうえで決して好ましいことではありません。ちょっと儲かっただけで売る、ちょっと損が生じただけで売るということを繰り返すようになり、結果的に利益が得られないということになりがちだからです。

ただ、金融・経済の知識を身につけるための少額投資は、それでも良いと思います。

値動きが気になるから、「なぜ上がった(下がった)のだろうか」と考えるようになります。すると、その原因を調べるようになるでしょう。これを日々、繰り返しているうちに、徐々に金融・経済の知識が身に付いていきます。

実際に投資することで金融・経済の知識を身につけるには、投資信託を購入するのが良いでしょう。言うまでもなく少額投資が出来るからです。投資対象は「日本株」、「国内債券」、「米国株」、「米国債」、「金(GOLD)」くらいで良いでしょう。

投資する金額は最低水準で十分です。このポートフォリオは資産形成のためのものではなく、あくまでも金融・経済の知識を得ることにあるのですから。

そして、このポートフォリオを組んだら、日々の値動きをエクセルなどで管理していきます。いきなり大きな動きをしたら、それは金融マーケットで何か大きなイベントがあったからであり、その原因として、どのような経済ニュースがあったのかを調べます。これを1年くらい続ければ、金融・経済の知識はかなり高まるはずです。