日本国民が直面している課題”老後2,000万円問題
金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書では、「老後30年間で約2,000万円が不足する」と受け取れる試算が示されています。この「老後2,000万円問題」に対応するためには、若いうちから生涯のライフ・マネーフランを考え、老後にどのように資産を取り崩すかシミュレーションするなど、早期に対策を始めることが重要だといえます。
とはいえ、「資産形成」といわれても、具体的に何をすれば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。代表的な資産形成の手段としては、働けるうちはなるべく長く働き、コツコツと節約・貯蓄をしておくことが挙げられます。さらに、長期的に資産を運用する「積立投資」への挑戦も検討したいところです。
本記事では、老後2,000万円問題を踏まえて、若いうちから始めたい長期的な資産形成の方法について解説します。
老後2,000万円問題とは?
老後2,000万円問題とは、金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」による「老後20~30 年間で約1,300 万円~2,000 万円が不足する」という試算を発端に物議を醸した、「いかに老後の資金を形成するか」をめぐる問題のことです。
「2,000万円」という金額は、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯では毎月約5.5万円の不足が生じるため、20~30年間の不足額が約1,320~1,980万円に上るという試算に基づいています。「2,000万円」という金額はあくまでもモデルケースでの老後資金の不足額であり、人によって実際の不足額は異なりますが、不安を感じる方は、一度ご自身の老後資金を試算してみるとよいでしょう。
ポイント
- 「食料」の割合が27.7%で最も支出額が多い
- 「その他消費支出(諸雑費や交際費など)」の割合が22.8%で意外とお金がかかる
- 「交通・通信」の割合が3番目に高い。
- 「住居」の費用は持ち家と賃貸では大きく異なる
- 税金や社会保険料(主に健康保険料)の負担も大きいので考慮が必要
現代は、平均寿命が伸びて「人生100年時代」とも形容される超高齢社会への突入が予想されています。そんな中、退職給付額(退職金)は減少傾向にあり、1992年度には企業の92%に存在した退職給付制度が、2017年には80.5%の企業にしか存在しない状況です。企業規模が小さくなるほど、退職給付制度が用意されている割合も低くなります。
また、退職給付制度が存在する企業であっても、給付金額が減少傾向にあるので安心できる状況ではありません。例えば、「大学卒業者または大学院卒業者、管理・事務・技術職、勤続35年」というケースでは、1997年に平均3,203万円だった退職金が2017年には平均1,997万円になっており、3~4割程度も減少しています。
近年、転職回数が増加傾向にあることや、働き方の多様化によりフリーランス(自営業・個人事業主)が増えていることもあり、退職給付額が少なかったり受け取れなかったりするケースの発生が予想されます。そのため、かつてのような「退職給付と年金をベースにして豊かな生活を営む」という老後のイメージに当てはまらない方が増加するかもしれません。
少子高齢化により、年金給付の増加も期待しにくい情勢となっているので、各人が老後に備えて資産形成を開始する必要があるといえるでしょう。
老後2,000万円問題に対応するには長期的な資産形成が重要
今後は年金支給額が減少する可能性もあるため、早い時期から老後のライフプランを立てておくことが重要だといえます。老後資金への対策としては、働けるうちはなるべく長く働くことや、節約して貯蓄しておくことができます。さらに、若いうちから投資を始めることで、長期的に少しずつ資産を増やしていくとよいでしょう。
例えば、現在のゼロ金利政策の環境下において貯金だけで2,000万円の資産を形成するためには、35歳から65歳まで毎月55,500円程度の積み立てをしなければなりません。しかし、35歳から65歳まで投資を行って利回り3%(年率)で複利運用したと仮定すると、毎月34,300円程度の積立金額で済みます。1ヶ月で約20,700円、1年間で約248,400円という差は大きいのではないでしょうか。
このように、積立投資を活用することで、毎月の積立額は少なくても、長期的に大きな資産を形成できる場合もあります。長く働くこと、貯蓄することは大切ですが、それだけがお金を増やす手段ではありません。とくに、少額から始められて運用・管理の手間が少ない積立投資は、うまく活用すれば「お金に働いてもらう」資産形成の方法となり得ます。
”少ないリスクで賢く積立”【企業型確定拠出年金】
とはいうものの、株式投資や投資信託は”ハイリスク・ハイリターン”というイメージがあり、どうしても前向きになれない。
そんな経営者様におすすめなのが「企業型確定拠出年金」※企業型DCです
通常、iDeCoやNISAであれば、自身の所得から月々の掛金を捻出する必要があり、
老後の資金形成のために現在の生活が圧迫されてしまうようであれば本末転倒です。
企業型DCであれば、下記の4つの特徴により「低リスク」で「大きな」リターンを得ることができる可能性があります。
企業型確定拠出年金の4つの特徴
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- 運用益が完全非課税
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掛金を100%会社の経費として算入できることから、
法人税の節税効果も同時に得ることができる制度となっております。
さらに、企業型確定拠出年金に関しては、経営破綻した際にも”決して”差し押さえることのできない財産として保有しておくことができるため、万が一の倒産リスクに備えられる点も多くの経営者様にご好評いただいているポイントとなっております。
まとめ
金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」による「老後30年間で約2,000万円が不足する」という試算の報告は、「老後2,000万円問題」と呼ばれて注目されました。あくまでもモデルケースにおける試算なので人によって実際の不足金額は異なりますが、マスメディアで大きく取り上げられたため、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
日本では1990年代から退職金が減少傾向にあり、少子高齢化で年金給付額の増加も予想しにくい状況です。そのため、老後を見据えて若い時期からの長期的な資産形成をしておきたいところです。
「投資信託や株式は元本割れのリスクがあるので怖い」と思われる経営者様もいらっしゃるとは思いますが、短期的で爆発力のあるような”ギャンブル”のような投資ではなく、あくまでも「未来への自分や家族、会社への貯金をしている」感覚で始められる企業型確定拠出年金のご導入をご検討してみてはいかがでしょうか。
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