今回は企業型DCを利用される際に、選んでいただける「全世界株式」のファンドについてご紹介させていただきます。
「全世界株式」のファンドを選ぶうえの考え方や根本の投資に対する考え方など是非参考にしてみてください。
株式投資に関する考え方
DC制度がスタートしてから、およそ20年が経過しました。どのDCのガイドブックを見ても、株式と債券を組み合わせたバランス型をモデルプランとして勧めているケースが目につきますが、それはある種のミスリードだと思っています。
実際「株式は損するもの」という感覚をもつ人が多いのかもしれません。
しかし、基本的にDCは長期運用を見越して運用を行うべきものです。
50年程度の長いスパンで見ると、世界株のインデックスのリターンは円ベースで7%前後。当然、下がることもありますが、ドルコスト平均法で下がったときには多くの口数を買うことができますから、次の上昇時に大きなリターンを得られます。しかし、下落するリスクを過度に恐れるあまり、バランス型などに誘導してしまうと、そうしたリターンを取り逃がしてしまうのです。
ここで最もお伝えしたい考え方は、長期運用を見越して運用を行うべきということです。
米国株のみへの投資は正しい?
最近、米国株だけに投資をすればいい、中でもS&P500だけに投資をすればいいという意見が目立っているようです。
しかし、過去のマーケットの動きを見てみると、米国株だけではせっかくの投資機会を逃してしまう場合も多いと思います。米国株だけでいいという偏った考えを持っている方は、ここ20年ほどのマーケットしか見ていないのかもしれません。現にもっと長いスパンで米国株式市場を見てみると、例えば1966年から1982年の17年間は「株式の死」と言われた時代であり、株価が全く高値を更新できない期間でした。
米国株も結局は全世界株の一部に過ぎませんから、全世界株に投資し続けることで、米国株以外の成長も享受できるというわけです。特定の国や特定の分野の銘柄に賭ける投資手法は、超長期の投資では機会を取り逃がすことが多く、リスクが大きいという点を、ぜひ理解しておいてほしいと思います。
全世界株式を選ぶ際の考え方
基本的にDCで積立を始める人には20代の方が圧倒的に多いはずです。長い時間を味方につけて、コツコツ積立をしていくことになります。
しかし、40年という超長期で投資をする場合、将来の予測は不可能です。唯一、予想できるのは世界の経済成長は継続していくという事実だけかもしれません。つまりDCでの全世界株投資は、世界経済全体の成長をコツコツ買っていくことに他ならないのです。
DCで運用をスタートするのは、これから社会の一線で活躍をしていく人たちです。あるいは家庭を持って子育てをしていく世代でもあり、とても忙しいのは言うまでもありません。個別銘柄や経済の分析などをしている暇も、タイミングを図って売買をする時間もないのです。大多数の人にとって、運用は人生の全てではありません。運用はあくまで人生を豊かにする手段であって、目的ではないのです。これらを理解していただくと、DC運用では全世界株に継続して投資し続けること、いわば「ほったらかし」こそが成功の近道だと分かるのではないでしょうか。
長期運用で成功するためには2つのセオリー「どんなに市場が下がっても投資をやめない」ということ、そしてもう1つが「マーケットのタイミングや過去の運用実績で判断しない」ということです。
まとめ
「全世界株式」について株式投資の考え方も踏まえてご説明しました。
”絶対にバランス運用がいい”であったり”米国株式のみに投資すれば大丈夫”という考えではなく、自身のライフプランに合わせて様々なファンドを客観的な視点で考えることが重要です。
1つの考え方として長期運用をする際には全世界株式の利点を視野に入れて銘柄を選んでみてもいいのではないかと思います。
是非参考にしてみてください。